あなたが居なくなった日。


 だってさ、中身が自由すぎてたまに忘れるけども、新田くんの見た目はそれはそれは整っているのだ。

 その人がだよ?

 私に聞かせるためだけに歌ってるんだよ?

 笑いかけてくるんだよ?

 うん、無理。

 歌ってる時の新田くんは破壊力はイケメンが五割増しだ。

 そんなのって恋じゃなくてもこそばゆくなるよね?

「はぁぁぁぁ」

 あれからたっぷり三十分もの時間を新田くんは歌い続けた。

「三咲に聞いててもらうと歌うの楽しいわ」

「大げさな。私なんかいなくても楽しいよ」