聞きたくなってしまった。 だって、そう言った新田くんの声は何か未練があるように聞こえた。 「どうだろう。好きでも嫌いでもないかなぁ」 「音楽は?音楽は好き?」 なんだろう。 この危うい感じ。 新田くんの声音は何か話していないと消えてしまいそうな儚さを持っていて、他人との距離感を必要以上にとり続けてきた私なのに気づけばどんどん新田くんの中へと踏み込んでしまう。