あなたが居なくなった日。


「鋭いようだけど少し違うんだなぁ」

「へ?」

「確かに“楽しき農夫”を選んだのは私。

でも元々はお母さんが好きな曲だったんだ。

その譜面は私ように買ってもらったけど、私が選んだって言うよりは譲ってもらったって感じのイメージかなぁ」

新田くんは改めて手にした譜面と、次にまだ本棚に並んでいる譜面も見やる。

「んん?そうなるとこっちが三咲ちゃんでこれはお母さん?」

そして手にした譜面と本棚を交互に指差して首を捻る。

「そうなるよね?でも最初が正解。そっちが私でこっちはお母さん」

「ふーん?」