そうやって、気付けば言葉を作ることすらできなくなっていた。 でもどうだろう。 目の前の彼はこんなにも自由気ままだ。 なのに私ばかりがこんなにも色々考えて、そんなのって阿呆らしい。 「仕方ないのは新田くんの方だよ」 その言葉は作ろうとしたものじゃなかった。 お母さんやお父さん、そして楓といる時みたいに自然に出てきたものだ。 だから後悔した。 言ってしまった後で、ああ、生意気だったかなとか思った。 なのに……。