だから必要ないのだ。

譜面は各自家。

午後の授業があるので教材としても渡される。

そうなれば自然と図書室に置く必要がなくなってしまう。

だけどどうして二人とも気づかなかったのだろう。

わざわざ制服を着てここまで来た私の努力は?

って言うか全力でお断りしたいんですけど。

新田くんと譜面屋さん巡りとか……。

そんなの想像しただけでお腹がいっぱいになる。

「三咲ちゃん?」

既に私の数歩先にいる新田くんは私が動かないのを変に思ったのか振り返り私の名前を呼ぶ。