「なんか良いよね。こうやって朝から活動的な音が聞こえるって」
窓の外から聞こえる運動部の声を指しているのだろう。
新田くんは窓の外へと目を向けている。
「あ、そうだ。三咲ちゃんって好き嫌い激しい?」
「えっと、何のでしょう?」
「ああ、ごめんごめん。食べ物だよ」
「好きなものはタコさんのウインナー。嫌いはあまりありません」
言って後悔。
もうすぐ十六歳を迎えようとしている高校生の好きな食べ物が”タコさんウインナー“は我ながらやばい。
それを裏付けるのは大きな目を更に大きくしている新田くんの反応だ。


