でも知らなかったんだ。 この時間にこんなに多くの学生が出歩いているなんて。 休日はグループになって学校へと向かうのが常識だなんて。 授業を受けないとしてもスクールバックを持ち歩くなんて。 でも今更引き返すのもそれはそれで目立ってしまいそうだ。 「はぁー」 近くを歩く人に聞こえないように小さくため息をつきながら、それでも仕方がないから可能な限りの速足で目的地である学校の図書室へと歩みを進める。 ああ。 今日はなんだか学校までがとても遠い。