あなたが居なくなった日。


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「ふーん」

私は自室に戻りベッドに倒れこむなり鼻から大きく息が抜けた。

なんだか複雑な気分だ。

あの声の持ち主は分からないままだし、楓や店員さんやお母さんには迷惑をかけるしで罪悪感はある。

でもあの人のワンコーラスはあまりにも美しくて満たされたような充足感があるのも確かで。

相容れぬ二つが織り交ぜ合って私の胸中はとてつもなく絡まっている。

取り敢えず気分を変えようと、だけど何をしても手につかないのは明白だからそっと目を瞑ってみる。