「こうやって見るとあの頃は本当に全く弾けてなかったんだなぁって思うなぁ」 「でも楽しかったわよね。 二人で一つの鍵盤に向き合ってこうしたらいいかも。 とかこれは?とか色々意見を出したりしてね」 「私のは意見にもなってなかったけどね」 「でもお母さんは楽しかったなぁ」 「それは私も」 その後も手当たり次第に譜面を開いてはその時の思い出話に花を咲かせた。 ふと『あれ?どうして昔を振り返ってるんだっけ?』とか思った頃、お母さんは視線を上げて私と目を合わせた。