「なんか……楽しんでない?」 私の指摘に友は悪気なんてこれっぽっちも感じさせない笑みで「あ、バレた?」だなんて“てへぺろ”みたいな仕草をする。 隠す気なんてさらさらないくせに。 熱々のパイを食べ終わってしまってからもうだいぶ時間が経っている。 辺りはすっかり夜だ。 空には欠けたお月様が薄い雲に隠れている。 「そろそろ帰ろうか」 そう切り出したのは私だ。