あなたが居なくなった日。


最初こそどもりはしたけど避けたい気持ちはかなりデカイ。

そのお陰か一度口を開けば“ダメ”の理由は止まることなく吐き出せた。

「そっかぁ。うーん。でも僕は自分で弾きたいと思う曲がないんだ。

どうしようか?」

そんなこと……それこそどうして私に聞くの?

流石に困って返事ができないでいると驚きから解放された友が助け舟を出してくれる。

「それを見つけに図書室に向かってたんじゃないですか?」

「うーん。あいつらはもう弾きたい曲の目星はついてるからなぁ。

僕はただついてきただけ。

あ、因みにあいつらの助言を受ける気はないよ。

だから『楽しき農夫』にしようと思ったんだけど……。

そんなにダメかな?」