「そうだけどさー。だって仕方ないじゃん。これが私なんだもーん」
「三咲は人見知りを盾にしすぎ。あ、ほら。
そんなこと言ってるからいい練習相手が現れたよ」
友の言葉に私は首を捻りながら練習相手とやらを探す。
が、いまこの瞬間個々の廊下を歩いているのは私たちといま丁度角を曲がってきた特待生グループだ。
「意識してみると意外と特待生さん達とすれ違うこともあるんだねぇ」
練習相手を見つけられなかった私は思ったことをそのまま吐露する。
私が吐露したのは何でもないつまらない感想。
なのに隣を歩く友の顔は何故か期待に満ちたみたいに輝いている。


