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参考になる本を借り終えた楓と私は数冊の本を抱えながら廊下を歩く。

「他の子は何を弾くんだろうねぇ」

自分たちが弾く曲を決めてしまうとクラスの子が何を弾くのかが気になった。

だって、出来ることなら曲被りは避けたい。

いくらアレンジを加えるとしても基本がある限り同じ楽曲での音の違いは目立つ。

しかも聴きにくるのは殆どが音楽をかじっている人だ。

ああ、こんなことを考えていたら胃が痛くなってきた。

「三咲?」

歩行スピードが明らかに下がった私を友は不審そうな眼差しで見ている。