本棚から取り出された楽譜を順々に手に取っていく。 どれも懐かしいものばかりだった。 ポルカ。 かわいいおともだち。 タランテラ。 あやつり人形。 どれもピアノを弾き始めた時に使っていた楽譜だ。 どれも軽快で明るい音。 これを選んだのは私だけど、選んだ理由はお母さんだったなと思い出す。 お母さんはピアノをどんな時でも楽しそうに弾いていた。 それこそ奏でている音のように体を弾ませながらにこにこにこにこ。