全てを終えた後、私は自分の本棚をひっくり返した。

取り敢えずいま持っている楽譜を見直してみようと思ったのだ。

その中にはお母さんに選んでもらったものも数多くある。

だけどそこには私が自ら選んだものもあるわけで。

それを見返せばピアノを弾き続けている理由の何たるかが見えてくるかもしれないと思った。

「結構あるなぁ」

本棚から私が選んだものだけを取り出して見るとその数は思ってたよりも多かった。

同時に意外だった。

自分で選んだものよりお母さんに選んでもらったものの方が多くあると思っていたのに、実際には私が自分で選んだものの方が断然多かった。