『まもなく午後の授業が始まります。 皆さま遅刻のないよう五分前行動をしましょう。 では、また明日の放送でお会いしましょう』 お昼休み終了五分前の放送が流れる。 「分かってまーす。よし、午後も学生の本分を全うしますか」 楓は律儀に放送にまで返事をする。 本当は教室になんて戻りたくないけどそんなことも言ってられない。 だって午後は大好きなピアノの時間だ。