この恋を金木犀のせいにして


ずっとそばにいて。


私の記憶が全部律希で上書きされた時に、もう一度、今度は私から告うから。


それまで、ずっとそばにいて。



「わかったよ。ったく、手のかかるやつ」


ふふ、と笑って窓を開けると、冷たい風とともに甘ったるい金木犀の香りが教室に入り込んでくる。


迫り来る冬は寒い。


でも、もう。


1人じゃないよ。