「つまらないとお嬢様がおっしゃっているパーティーで、ですわ。招待されたご令嬢様たちの侍女はみんな同じ部屋で待機するので、そこでいろいろと裏話を。お嬢様があまりパーティーにいらっしゃらないので私も数度お話に加わったくらいですが、最低限これくらいはご存じでないと。だいたいお嬢様は……」

 よどみない口調で説教を続けるスーキーは、こう見えてアディよりも年下である。

 スーキーは、もともと教会の修道女だった。まだ年若かった彼女はくるくるとよく働くと評判で、それを知ったアディの父親が、歳の近いアディの侍女として家に引き取ったのだ。次々と侍女やメイドがやめていく中で、スーキーは最後までアディの側を離れなかった。

「それよりも、問題はあの執事よ!」

 放っておくと延々とスーキーの説教は続くので、アディはあわてて口をはさんだ。

「ルースさんですよね。素敵な方でしたよねえ」

 思い出したのか、とろんとした目つきになったスーキーを、アディは、き、と睨む。