「わたくしも……幼き頃より夫をたて地を治めるように教育されて参りました」
おっとりと栗色の髪の女性――ポーレットも、遠慮がちだがはっきりした声で続ける。
「これから一月の間、王太子妃としていずれ殿下を支えられるよう、精一杯励みます。あと……あの」
少し声を潜めて、恥ずかしそうに言った。
「我が家は多産の家系です。たくさんのお世継ぎに恵まれるよう頑張りたいと思います」
がんばる。何を。
いや、それはそれで王妃としては重大な役目だ、とアディは思いなおす。そうだ、王太子妃になるということは、この国の世継ぎを産むという事なのだ。今さらアディはそのことに気づいたが、あまり人前で口にすることではない。
おっとりと栗色の髪の女性――ポーレットも、遠慮がちだがはっきりした声で続ける。
「これから一月の間、王太子妃としていずれ殿下を支えられるよう、精一杯励みます。あと……あの」
少し声を潜めて、恥ずかしそうに言った。
「我が家は多産の家系です。たくさんのお世継ぎに恵まれるよう頑張りたいと思います」
がんばる。何を。
いや、それはそれで王妃としては重大な役目だ、とアディは思いなおす。そうだ、王太子妃になるということは、この国の世継ぎを産むという事なのだ。今さらアディはそのことに気づいたが、あまり人前で口にすることではない。



