イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる

「本当に可愛いな、お前は」

 言いながらテオは、アディの白い肌に唇をすべらせた。びく、とアディが体をこわばらせる。瞬間的にきつく握り返された指に、テオは体を起こすとアディの潤んだ目を覗き込んだ。

「安心しろ。この先は、俺のこと以外考えている暇などないからな」

 その言葉通り、朝までアディは、テオ以外の事を考えることはできなかった。


 キリリシア王国に、もう一つの幸せな報告が流れるのは、それほど遠い日のことではないだろう。




fin