イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる

「二人だけの時は、ちゃんと俺を呼べ。殿下、ではなく」

「テオ……」

「それでいい」

 テオは、アディの細い体をとさりとベッドへ倒して、頼りなく投げ出されたアディの指に自分のそれを絡める。つないだ指が微かに震えていることに、テオは気づいた。

「怖いか?」

「……いえ」

「素直じゃないな」

「怖くなど……!」

 反論が思いがけず上ずった声になってしまって、アディは口を閉ざす。それを上から見おろして、テオは笑んだ。