イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる

(あっ!)

 もちろんそのことも含めて結婚式では緊張していたアディだが、披露宴のあとはウィンとポーレットのことで頭がいっぱいになっていたのだ。

 婚約して以来何度も抱きしめられたり口づけされたりはしたが、テオはそれ以上のことをアディに求めてこなかった。今までは。

 けれど今夜は。

「せっかくの初夜だというのに、その頭の中は別の人間のことでいっぱいのようだな。ん?」

 ちゅ、と軽い口づけを受けて、アディの全身が赤く染まる。これから何が起こるのかという事を思い出してしまうと、今までの緊張も一気に戻ってきた。