悔し紛れにアディは潤んだ目でテオを見上げる。

「本当のあなたに戻っても、意地悪なところは変わらないのですね」

「これが地だ。慣れろ」

 膨れて返事をしないアディの小さな手を、テオはきゅっと握った。

「では、まいりますよ。お嬢様」

「……はい」

 まだ少しだけぼんやりしていたアディは、きっとこれからもこうやって彼にからかわれていくのだろうな、という予感をひしひしと感じていた。