イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる

はにかみながら言ったポーレットに、アディも笑んだ。

「そうね。いつも怖い執事が目を光らせていて、のんきにおしゃべりなんかできませんもの」

「それは、アデライードだけですわ。ルースは、わたくしたちにはとてもお優しいですわよ」

「ああ、やっぱり……」

 そう思っているのは、アディの勘違いではなかったのだ。

 げんなりしたアディを見ながら、ポーレットは恥ずかしそうにうつむく。

「わたくし、本当はずっと、アデライードやエレオノーラともっとお話をしたいと思っていましたの。そんな風に思われたら、アデライードはお嫌かしら?」

 ぱっと、アディの顔が笑顔になる。