「まあ、おいしそう。柔らかいし、色つやもいいわね。でも、まだ高いわ。もう少しすれば旬になって落ち着くから、今日は我慢しましょう」

「……そうですか……」

 声をあげた少女は、かごに戻されるキャベツを残念そうに見つめた。気を取り直すように、お嬢様と呼ばれた少女が顔をあげる。

「それよりもスーキー、今日はかぶが安いわよ。これでスープを作りましょう」

「かぶ、ですか」

 スーキーは、微妙な顔つきになった。

 かぶのスープは嫌いじゃない。けれど、こう毎日毎日かぶばかり続くと、さすがに飽きてくる。なにせ中味は肉の一片も入らず、本当にかぶだけなのだ。

 スーキーの表情を面白がるように、もう一人の少女―――アディは言った。