この世の中は、様々な能力で溢れている。能力を持つだけで忌み嫌われるあの頃とは全く違う。この世には神と呼ばれる存在がいる。同じ人間ではあるが、まだ能力を持っている方が珍しいあの頃に生まれた神。『全ての願いを叶える能力』を持って生まれた神。親、世間から逃げて能力を隠して生きて、きた神。そんな孤独の神はあるとき願った。『自分以外にも能力を持つものがいれば、いや、みんなが持っていれば仲良くなれるのに…』その願いは叶った。そのときから生まれる者、全てが能力を持っていた。しかし、神は願い続けた。身勝手な願いばかりを願い続けた。『若いままでいたい』『死にたくない』『まわりも百年以上はいてほしい。』『男なんていなくて良いのに』そんな願いばかりだった。その神は女である。だから男の存在が邪魔になった。しかし子供なんて生まれんはずがなくなったこの世の中は、だんだんと人数が減っていった。神はまた孤独になることを拒絶した。神は非科学的な魔法を産み出した。一年間で必ず三十六人ずつ生まれるようにした。
身勝手な神。彼女のしたことは今のこの世に深く根付いている。

神、ラエサミリース神。その名、ラエサミリースを持つものは王家となり、政治を進めた。