「紫乃、忘れ物はないか」

「大丈夫だよ
そんな心配しないで」

玄関先で父が心配そうな顔で見送る

「大丈夫ですよ、あなた
紫乃は私たちの子なのですから」

どこか片言感が抜けない母が
父の背を撫でる

父は平サラリーマン
母はアメリカ人の国家公務員
私たちはつい先日アメリカから帰省したばかりだ

「I'm off.See you later!
(いってきます!)」

「「Take care!!
(気をつけてね!)」」

国公立の学校に入って
できるだけお父さんの負担を減らしたい
そう思った私は葉青学園学校を受験し
なんとか合格した
あとはどうにか留年をしないようにしなくては