その写真から目を逸らして、私は薄いピンクのワンピースを手に取った。

「これなんかいいんじゃないんですか?妹さん、こんな感じ好きでしょ?」

「ん。あぁ、そう、だな。いつもそんな感じだよ」

「じゃ、これにしますね。すみません、これプレゼント用に包んでもらえますか?はい。誕生日なんで」

会計を先生に任せ、包まれたプレゼントをお店の人から受け取った。

「はい、先生。これでいいですね?じゃ、私は失礼します」

お店を出た所で私は、頭を下げてその場から離れようとした。

「ち、ちょっと待って、どこに行くんだ?」

腕を掴まれた私は、

「手を離して下さい。もう用はないですよね?帰るんです」

「いや、なんで一人で帰るんだ?送っていくじゃないか!」

「一人で帰れます。ついでに、買い物して帰るので、その手離してもらえますか?」

「ダメだ。一緒に帰るって言わないと離さない」

は?どこまで勝手なのよ、この横暴王子!

「は、離して下さい!」



「きゃー!」

え?私達がお店の前で、離す離さないで押し問答をしていると、離れた通りから女性の叫び声が聞こえた。

私達はとっさに、異変を感じてその場所に向かった。

「すみません、これ預かってて下さい」

先生の手から、包まれたプレゼントを取った私はお店の人に預けた。
そして先生の後を追った。