買い物に付き合ってほしいんだ、ってお前誰だよ?

って言えるわけもなく、私は黙って横暴王子の車に乗り込んだ。

なぜ?私?

頭の中が??で一杯になっている私に、ぷっと笑いながら、王子が話しかけてきた。

「飽きないな、お前見てると」

「はい?お前じゃなく、南條です!」

「ははは。悪い、南・條・さ・ん」

ははは、絶対ワザとだ。
ほんと、腹黒王子よ、こいつ。
だんだんむかついてきた。

「中元先生、今日はどこに行かれるんですか?」

「あ、妹の誕生日プレゼントを選ぶのに…その、手伝ってもらえる…かな」

は?何言ってんだ、この人。
一人で選べよ、んなもん、と言える訳もなく。

「彼女に選んでもらえばいいじゃないですかぁ、こんな私にわざわざ言わなくても」

「いや、今付き合ってる奴いないし」

今いない、ケンカ売ってるのか…
そりゃ、私は今も昔もいないわよ!

「病院には、若い子がたくさんいるじゃないですか。その人達に頼めば喜んできますよ?私みたいに、余計な一言とか言いませんよ?」

「…いや、それは…」

何、言葉に詰まってんのよ、散々強引に連れてきたくせに…
私が言えば言うほど、王子は言葉少な気になっていった。

これじゃ、私が責め立ててるみたいじゃない。