「終わった…」

フラフラになりながら、更衣室に向かった私。
すかさず、由香里が突っ込んできた。

「珍しいよね?夜勤ぐらいでフラフラになるなんてね?」

そう。
あのテスト?の後、何かにつけて、あの中元先生にいじられていた私。
そのせいで、夜勤の他のナースから、すんごい視線で睨まれたんだけど。

ほんと、横暴医師!としか言いようがない。

瑞穂までが、爽やか王子の独り占めはいけません!って、言ってくるし。
誰が爽やか王子なのよ、私にしたら横暴王子よ!
まぁ、確かに顔面偏差値200もある人だから、イケメンなのは認めるけど、中身が伴っていない。

「こんなにも、横暴なのに…、瑞穂。あのね?横…いや中元先…」

「南條!」

横暴王子に拉致られる。
そして、怒られる。
の、繰り返し。

…で、疲れた。


とりあえず、早く帰りたい。


「夏帆、大丈夫?」

「あ、うん。大丈夫よ。疲れたから早く帰るわ」

「そうだね。気つけてね。お疲れ様」

私は、由香里や瑞穂より先に病院を出た。