「…….申し送りは以上です。お疲れ様でした」

準夜勤からの申し送りを受けて、夜勤の準備に入った。入院しているのは、4人から6人に増えていた。

私は黙々と目の前にある、業務をこなしていた。

「夏帆、これ医局にお願い」

「あ、はい。医局だね、え?」

今、なんて言った?
医局?
出されたカルテを握りながら、由香里に

「なんで、医局なんて、ハードル高い事させんのよ!」

「一回行ったら慣れるから、ね?」

有無を言わさず、放り出された。
鬼!悪魔!

「私行きましょうか?」

瑞穂がすり寄ってきた。

「え?いいの?じゃ、こ…」

「瑞穂!夏帆に行かせて!あなたはダメよ!夏帆も早く行きなさい」

「えぇ、どうしてですかぁ?」

瑞穂は、どうしても医局に行きたいらしい。
まぁ、あの二人の当直だ、って聞いてテンション上がってたもんなぁ。
外来には、温厚そうな林先生もいるってのに。

そんな事を考えていたら、医局に着いてしまった。