焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

「うん、すごくいいと思う。やっぱり似合ってる」

「……じゃあ買おうかな。滝本との初デートで選んでもらった記念に」

「――え」

そう言うと彼はふわりと笑い、「着替えてくる」と言うと再び試着室のドアを閉めた。

「もう、織田くんってば」

やっと胸の高鳴りが収まってきたのに、そんなことを言われたらまたドキドキしちゃったじゃない。

その後、彼が試着を終えて会計を済ませるまでの間に心を落ち着かせるのに必死だった。

それから一通り回り、少し小腹が空いてきた時間頃、フードコートに立ち寄ってアイスを注文した。

たくさんのフレーバーがあって悩みに悩みながら購入し、空いている席に腰掛けた。

「滝本の美味しそうだな」

「うん、美味しいよ。あ、食べる?」

「えっ?」

何気なしにアイスを差し出したものの、キョトンとなる織田くんを前に『やってしまった』と後悔する。

ついみどりと来ている感覚になっていた。よくみどりとお互いのものをシェアしていたから。

「えっと……」