焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

メンズショップを見ながら、彼に似合う服を探していた。そこで見つけたのが白と黒のボーダーシャツ。

「あまりボーダー服って着たことないんだ」

「試着してみて」

彼の背中をグイグイ押して試着室へと押し込んだ。

そして着替えが終わるまで近くで待っていると、女性スタッフに声を掛けられた。

「私も彼にあの服、似合うと思っていたんです」

「やっぱりそう思いますよね」

「はい! 素敵な彼氏さんですね」

え、かっ、彼氏!?

ギョッとする私に女性スタッフは「ごゆっくりどうぞ」と言いながら離れていった。

そっか、私と織田くんって付き合っているように見えちゃうんだ。

デートだと認識して来てはいたけれど、いざ言われると心が落ち着かなくなる。

せっかく緊張せずに楽しんでいたのに、これじゃだめだよね。織田くんの試着が終わるまでに心を落ち着かせないと。

必死に大きく深呼吸をして胸の高鳴りを抑えていると、試着室のドアが開いた。

「滝本、どうかな?」

ボーダーシャツは予想以上に似合っていて、何度も首を縦に振ってしまった。