焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

「なにも笑うことないだろ?」

自分のことを笑われたと思ったのか、織田くんは不満げな顔を見せた。

「違うの、ごめん。……あまりに織田くんが私が感じていたことと同じことを言うものだから、なんか可笑しくて」

「え、同じこと?」

聞き返してきた彼に大きく頷いた。

「うん。見たい映画もそうだし、このファミレスもそう。あとこうやって向き合って座ると照れちゃうのも」

今日感じた正直な気持ちを吐露すると、織田くんは目を剥いた後、また照れ臭そうに笑った。

「そっか。……同じか」

「……うん」

だからこそ今、この時間がすごく楽しいと思える。

「じゃあ、もう変に緊張しなくていいな」

「緊張? してたの?」

織田くん、全然そんな素振りなかったじゃない。しっかり私をリードしてくれて映画代やドリンク代まで、スマートに支払いをしてくれて。

だけど違ったようで、彼は複雑そうな顔を見せた。

「緊張するよ。だって高校時代、ずっとこうして滝本と休日に出掛けたいと思っていたんだから。……その夢が叶ったんだ。昨夜は眠れなかったほど」

「嘘……」