焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

周囲をキョロキョロしていると目に入ったのは、チェーンレストラン。リーズナブルな価格ながら和洋中、なんでも揃っている。

織田くんがなに食べたいかわからないし、いっそのことあそこに入っちゃう? いや、でも初めてふたりで外出しているのにチェーンレストランはないかな。

大人になってからデートをしたことがない私は、どの選択が正しいのかわからなくなる。

言い出せないまま通り過ぎようとした時、彼の方から提案してきた。

「あ、もし嫌じゃなかったらここは? 空いているようだし」

そう言って彼が足を止めて指差した先は、チェーンレストランだった。

「ここだったら、なんでもあるからいいかなって思ったんだけど……どうかな?」

織田くんも同じことを考えていたことにびっくりだ。

「やっぱりないかな?」

なにも言わない私に勘違いしたのか、「違うところ探そうか」と歩き出した彼の腕を慌てて掴んだ。

「待って! ここでいいよ!!」

「――え?」

腕を掴まれた織田くんは驚いた顔で私を凝視する。