焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

まじまじと眺めていると、腕で顔を覆いそっぽ向く。そんな彼の耳もまた赤く染まっている。

「あまり見ないで。……恥ずかしいから」

恥ずかしい? なんだ、織田くんも私と同じなんだ。褒められたら恥ずかしくなるんだ。

そう思うと嬉しくて胸の奥がむず痒くなる。

今度は私が笑ってしまうと、織田くんは悔しそうに顔をしかめた。

「もう行こう。時間が勿体ない」

「……うん」

先に歩き出した彼の後を追って隣に並ぶ。

あんなにドキドキしていたのに、今はわくわくしている。こんな気持ち、初めてかもしれない。

陸人と初めてデートした時も、もちろんドキドキしたけれどそれだけだった。いっぱいいっぱいで、わくわくするどころか楽しめなかった苦い思い出がある。

大人になったからっていうのもあるのかもしれないけれど、でも織田くんとは違う気がする。今日は楽しく過ごせる気がするから。

「今日はどこに行くの?」

顔の赤みが収まってきた頃尋ねると、織田くんは私の様子を窺いながら言った。