焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

目が合っただけで、私の胸は早鐘を打ちはじめる。

「今日の服、すごく似合っている。……可愛い」

「あ、ありがとう……?」

突然「可愛い」なんて言い出した織田くんにギョッとなり、つい疑問形でお礼を言うと彼は目尻に皺をたくさん作って笑った。

「どうして疑問形?」

「そっ、それはそのっ……! 織田くんが動揺させるようなことを言うから」

ボソボソと文句を言うと、ますます彼の頬は緩み、隠すように口元を手で覆った。

「それはごめん。……でも思ったことはちゃんと口に出して伝えないと、滝本に伝わらないだろ?」

織田くんの言う通りだけど、なんか悔しい。

私ひとりだけでしょ? こんなにドキドキして動揺しているのは。

だったら私も思ったことをちゃんと伝えよう。

「織田くんだってカッコいいよ?」

「えっ?」

驚く彼に繰り返し伝えた。

「今日の織田くん、すごくカッコいい」

真っ直ぐ目を見て伝えると、織田くんは目を瞬かせた後、徐々に頬を赤く染めた。

意外な姿に目を丸くさせてしまう。

えっ、と……これは織田くん、照れているの?