焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

約束の改札口前に着き、周囲を見回す。もう織田くんは来ているだろうか。

ドキドキしながら姿を探すこと数秒、すぐに見つけることができた。

だって織田くん、他の人より身長が高いから視界に入る。……それに初めて見た私服姿は、黒のシャツにジャケットを羽織り、ベージュのチノパンにスニーカーとラフだけれど、織田くんが着るとなんでも似合っている。

それに……チラッと周囲の女性を見れば、みんな織田くんのことを見ている。でもその気持ち、すごくわかる。

私も織田くんとはまったくの他人で、偶然街中で見かけたら気になって見ちゃうと思うから。

足は止まり、そんなことを考えていると私に気づいた彼と目が合う。

ドキッとした次の瞬間、織田くんは嬉しそうに顔を綻ばせてこちらに駆け寄ってきた。

「久しぶり、滝本」

「あ……久しぶり」

どうしよう、どんな顔をしたらいいのかな。もう二ヵ月近く会っていないから、全然慣れない。

俯きながらも言葉を返すと感じる視線。ゆっくりと顔を上げると、私を見ていた彼と視線が重なり合う。