焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

走り去っていく電車を見送り、人がいなくなったホームで返信文を打つ。

【織田くんもお仕事お疲れ様でした。月曜日、大丈夫だよ】

考えて迷って打ち込んだのは、当たり障りないもの。それを送信し終えると、一仕事終えたように力が抜けた。

そのまま天を仰ぐと、今夜は雲ひとつなく星が輝いていた。

あんなに疲れて帰ってきたのに、月曜日に織田くんと会えるのかと思うと、自然と明日からまた仕事を頑張ろうって思えるから不思議だ。

「……よし!」

月曜日のためにも万全の態勢で明日からの仕事に向かわないと。あ、それに着ていく服も買いにいかないと!

最近、職場と家の往復ばかりで私服なんて買っていないから。

考えるほど元気になり、改札口を抜けて家路を急いだ。


そして迎えた月曜日。

会社に行く日より早い時間に目が覚め、いそいそと準備を進めていた。

昨日みどりに買い物に付き合ってもらい、今日着ていく服を一緒に選んでもらった。

どこに行くかわからなかったから、ネイビーのフレアスカートにホワイトの襟付きブラウス。それとヒールのないミュールサンダルと小ぶりの手持ちバッグ。