慌ててタップして確認すると、そこにはこう書かれていた。
【今日帰ってきました。明日から一週間休暇をもらったんだけど、ゆっくり会える日ってあるかな？　どこかにふたりで出掛けないか？】

織田くんからの誘いに胸がギューッと締めつけられ、落ち着きを失う。

誰に見られているわけでもないのに、無駄に周囲をキョロキョロしてはもう一度スマホの文字を目で追う。

これってつまり、デートみたいなもの……だよね？

じわじわと実感すると今度は身体中が熱くなる。

ただ出掛けるだけだというのに、なんだろうこの甘酸っぱい気持ちは。異性とふたりで出掛けるのは久しぶりだから？

あっ、返信しないと！

慌てて日曜日と月曜日が休みだと伝えると返信がきた。

【仕事お疲れ様。じゃあ月曜日どうかな？　平日だとどこも空いていて、ゆっくりできると思うんだ】

彼からの返信を見て気づく。私、織田くんに【仕事お疲れ様でした】って送っていないと。
ただ休みの日だけ送っちゃった。嫌な気分にさせていないかな？

オロオロとしている間に自宅の最寄駅に到着し、慌てて電車から降りた。