それからまた約二週間後。

店舗周りを終えて帰路に着く頃には、二十時を回っていた。

「疲れた……」

今日はまだ週の半ばの水曜日。接客業だけれど、取引先であるメーカーなどが土日祝日休みのため、自然と私たちの休日もそうなる。

だから店舗勤務の時とは違い、みんなと休みが合う週末に休めるのは嬉しいけど、時と場合によっては土日どちらか出勤することもあり、まさに今週は土曜日まで出勤となっている。

その代わりに日月と連休だけど、その連休までがまだまだ長い。

早く帰ってご飯食べて寝ないと体力持たなそう。

重い身体を引きずりながら最寄り駅で電車に乗り、いつも利用している駅を目指す。

遅い時間とあってか席は空いていて腰を下ろすと、どっと疲れが押し寄せた。電車の心地よい振動で気を抜いたら寝てしまいそうだ。

眠気覚ましにスマホでSNSのチェックでもしようとバッグから取り出した。

でも次に画面を見た瞬間、目が一気に覚める。だって織田くんからメッセージが届いていたから。

嘘、しかも二時間前!? 全然気づかなかった。