そこはしっかりと伝えてパソコンを向かい合う。

門脇部長はなんの心配をしているのだろうか。恋愛に溺れる? 私が?

そりゃ若い頃はそうだったかもしれないけれど、今は違うから。……なにより溺れるもなにも、相手とずっと会えていないし。

「あ、あと滝本が婚活パーティーに参加したことは、もちろん誰にも言わないから安心しろ」

「……それは、感謝します」

ボソッとお礼を言うと、門脇部長は「どういたしまして」と言いながら仕事をはじめた。

私も軽快にキーボートを叩いていくものの、ふと手を止めてスマホを確認する。

婚活パーティーから一ヵ月半の月日が流れていた。その間、織田くんと一度も会えていない。

帰りにお互いの連絡先を交換したものの、すぐに彼は仕事で海の上へ。

決まりで行き先も滞在期間も言えないらしく、あとどれくらいで戻ってくるのかわからない。

それに海の上は電波が届かず連絡も取れない。けれど時々、電波が通る場所を通るらしく、何件かメッセージが送られてきていた。