そして遠巻きにカメラを回していたカメラマンとリポーターに、あっという間に囲まれてしまった。

インタビューに答えている彼を眺めながら、色々な思いが駆け巡る。

織田くんとは、ずっと仲が良いクラスメイトだった。卒業後は大学が別々で連絡を取ることもなく、今日まで過ごしてきて……。

それなのにいきなり『好きだった』って告白されて、『これからも会いたい』って言われても困る。どうしたらいいの?

すぐに答えなんて出るはずない。――でも、織田くんの言葉が頭をよぎる。

『今、少しでも俺と同じ気持ちになってくれたなら、最後の告白の時間までに考えてほしい』

私だって今の織田くんのことを、もっと知りたいと思っている。それに、もう二度とどんなことでも後悔なんてしたくないとも。

だからと言って、織田くんと恋愛するかどうかとはまた別の話しだし……。

またひとり、グルグルと考え込んでいるとホクホク顔でみどりが戻ってきた。

「杏~! ちょっとちょっと! 見ていたわよー! さっき一番人気の人といい雰囲気だったじゃない」

駆け寄ってくるなり、彼女は肘で突いてきた。