焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲

「杏ー、これどうしたんだ?」

「んー? なにー?」

先にお風呂を済ませ、彼が出るまでの間に残っていた仕事を片づけていると、いつの間にかお風呂から出た彼が聞いてきたけど、集中していた私は彼の声が、右から左へと抜けていく。

「杏……これはもしかして、新婚旅行用?」

「えっ?」

“新婚旅行”のワードのハッとし顔を上げると、彼が覗き込んでいたのは今日、みどりと一緒に選んだ下着のショップ袋だった。

「あっ、それは違うの!!」

急いで彼の元へ駈け寄り、下着の入った袋を奪い取る。そして背中に隠したものの、蒼は唇の端を吊るし上げた。

「違うってなに? じゃあどうして買ってきたの?」

ジリジリと詰め寄る彼に、少しずつ後退りしていく。

「だからその……ちょうど新調したいなぁと思って……」

あぁ、なにやっているんだろう私。どうして帰ってすぐ買ってきた下着を片づけなかったんだろうか。

バレバレだよね、新婚旅行に向けて買ってきたって。

壁際まで追いやられると、彼は私が背後に持つショップ袋を奪っていく。

「あっ……」

それを目で追っていくと、蒼は袋を床に落とした。