私は大道芸人の手を振り払って、机に掛かっていた荷物を抱え、廊下に向かった。

ガラッ!!

勢い良く開けたドアの音が廊下に響く。

ドアのすぐ横の片桐君が、慌てて声を掛ける。
「おいっ(汗)まてって!!」
一目散に廊下を走って、階段を掛け降りる。

後ろに響くクラスメート達の声と、私を追ってくる足音。

私は生徒玄関で靴を投げ出し、慌てて履いて外へ走る。
「待ちなさい。」
「取りあえず戻って、話しようー。」
一人じゃない先生の声に振り向く。
大嫌いな先生ならともかく、結構気に入ってる先生もいる‥。今更、止まるなんて出来るものか。
「来ないでよー!!話すことなんて一つもないんだからっ。」
先生達に罵声を散らした直後、追い詰められた幾つもの言葉が頭をよぎり、強い光と共に目の前が真っ暗になった。
(ちょ‥何よ。もう…)