―ファミレス
「ご注文お決まりでしたらどうぞー」
「えっと、ドリンクバー2つとポテトフライ」
「あと、オムライスで☆」
「かしこまりました。失礼します。」
やっぱ食欲ないや。
「ねぇ、かのん。本当それだけで良いの!?」
「うん。とりあえずね!お腹空いたら追加するよ。」
「そっか♪なら良いけど。」
私はカバンから数学一式を出す。
「やっぱ数学(笑)好きだねえ。」
南は知っていたかのように得意げに笑う。
「まーね。でもやらんと出来ないからやるのは人一倍じゃないと。」
「なるほどぉー♪一位、二位は渡せないよねー!(笑)」
2人は顔を見合わせて笑う。
そう。うちらは勉強できる人になりきる派。
なにもかもオール5取っちゃうような人ではなくて、テストで叩き込んで点数稼ぐ派。
「ドリンク取ってくる!かのん、何がいい?」
「アイスコーヒー☆ミルク2つ★」
「了解☆」
南の楽しそうな足取りを見ながらふと思った。
そういえば、さっき今日初めて笑った‥。
笑わないほど辛いつもりも無かったんだけど。
‥やっぱそうだったのかな。
いや、今は考えちゃ駄目だ。
南の話聞かなきゃ。
「お待たせ☆」
「ありがとー☆じゃ、数学やりながらだけど、南の愚痴聞きますよ♪」
「うん☆あっ。私もやる!ノート見せて?(笑)」
話しにくかったのかな。
「はい。秘伝のノート☆」
「流石ですかのん様♪ありがとう!!」
それから、暫く何ともない話で時間が過ぎた。
南は、近くを見てそうで、どこか遠くを見るような笑顔をしているように見える。
私から聞いてみるかな。
そう思った時、南が話始めた。