さっさと居心地悪い制服を脱ぎ捨てて、ラフな格好に着替える。

勉強道具をカバンに入れて部屋を出る。

電話の横のメモ帳を破いて、母に行き先を書く。
書いとかないとうるさいしな。

考える間を持ちたくないから、支度に時間を取らず玄関を開けた。

ガチャ。

道路に背を向けて、鍵を掛ける。

さて。

そう思った時、後ろから声が聞こえた。
「かのん!やほー♪」

「えっ…」
その声に慌てて振り返る。
「南!?や‥やほー☆?」
どうして南が。てか、メールもせずに何だろう。
「かのんどっか行くん?」
「うん。ファミレスに勉強がてら夕飯しようと思って。どしたの?」

「あー‥うん。そっかー。南、昨日親とごたついてさぁ。今日学校休んだんだ。で、愚痴りにきちゃった(笑)」

それで、メールこなかったんだ。

「私も‥学校には行ったんだけど、授業行かなかったんだ(苦笑)愚痴なら聞くし☆一緒にファミレス行く?」

「そっか!ははは(笑)2人して自主休学とかウケるし。」
「だよね(笑)」

「かのん、ありがと♪ファミレス一緒する!」

「うん!じゃ行こう☆2けつで♪」

「うん☆って‥私のチャリでー?(泣)」

「奢るから許して☆」

「そこまで言うならよしとしてやる(笑)」