後ろから引っ張っている物は、後悔なのか‥感情なのか。
それを見逃して進めと言われるかのように、曼珠沙華は先の道を照らして行く。
私が再び歩き始めるのは、迷うことが無いからではなく、選ぶ道がない。
人に痛みを分けることを知らず、誰かを訪ねる事も知らず。
鎖を張り巡らした中で生きてきている。

心の鍵を外されかければ、こんな残酷な感情がにじみ出る‥。
河原の土手道から家までの間に。
これが私の中に住む住人なんだ。慣れてくれば、小さく可愛いものの様な気さえしてくる。