なつみが愚痴をこぼす事は、それ程不思議ではなかった。
だけど、こんな事を聞いただけで動揺してる自分が信じられない。

私は夢を振り返って、心の愚かさに浸る‥。
腹黒いって言葉、良く世間で聞くけど、それって私も入るのかも。
自分の心は殻に閉じ込めて、他人とのトラブルはその空きスペース。
けれど、表に出す私はどれとも別の私でいい子でいるよう頑張る癖。
…セコいなんて、八方美人だなんて思いたくないけど。

…そうなのかも。

最早、みんなの声はBGMになっている。
この悩みにでてくるのは涙なんかでなく、ため息ばかり。
涙の重さは、とっくに忘れた。
辛くても悲しくても、涙に出来ないのは心が錆び付いてしまったのかもしれない。
切なさを片手に、涙はなくても良いかもと言う考えが押し上げてくる。
知らないところで、無意識に流れる涙は、私の涙じゃないみたい。