一滴の涙が少女の顔の上に落ち、
サンタは部屋を出た。



庭で待っていたトナカイの頭を撫で、
ソリに乗る頃には雪が舞っていた。


この国では何年ぶりかに降ったイブの日の雪。


「さぁ帰ろう。」


手綱を締めると、
この街を見守ってきたベテランサンタは静かに去って行った。